2014年5月2日金曜日

4月の読書

あっという間に5月になってしまいました。
備忘録を兼ねて、4月に読んだ本、一挙公開です。憶えている限りで、どんな話だったかも。

【透明人間】H.G.ウェルズ(橋本槇矩訳・岩波文庫)
 意外に新しい視点。透明になったら、いろいろ困ることが出てきてしまうのですね。ずっと裸でいるわけにもいかないし。

【ゾウの鼻が長いわけ】ラドヤード・キプリング(藤松玲子訳・岩波少年文庫)
 話の内容は、ちょっと古臭いです。でもキプリングの挿絵は、じっくり見る価値あり。

【新釈 走れメロス 他四篇】森見登美彦(祥伝社文庫)
 森見登美彦、快調です。ただのパロディ編と思いきや、さにあらず。面白うて、さらに奥深い。それぞれが独立しているようで、つながっているというのも。

【ドゥームズデイ・ブック】コニー・ウィリス(大森望訳・ハヤカワ文庫)
 時間旅行が可能になって、研究のために13世紀の世界に送り込まれた研究生。しかし送り込まれた先では思いもよらなかった疫病が大発生。さらに現在社会でもパンデミック! 始めの方はだらだらしていたけれど、後半になって一気に物語が加速。しかし、長い!

【たんぽぽ娘】ロバート・E・ヤング(伊藤典夫編・河出書房新社)
 心温まるSF短篇集。

【コップとコッペパンとペン】福永信(河出書房新社)
 正直、よおわかりません。

【生ける屍】ジョイス・キャロル・オーツ(井伊順彦訳・扶桑社文庫)
 自分の思いどおりになる「ゾンビ」を作ろうと「実験」を繰り返す青年の告白。淡々とした「研究日誌」的な展開が恐ろしい。

【睡眠のはなし】内山真(岩波新書)
 色々勉強になります。無理に寝なくても大丈夫みたい。

【天才】宮城音弥(岩波新書)
 かなり古い著作。天才が、「普通の人」とどれくらい違っているかを、幾人かの「天才」を例にとって解説。それを一般論にするには無理があると思うんですけど。何のために書いたのやら。

【昨夜のカレー、明日のパン】木皿泉(河出書房新社)
 ギフ(義父)と私の暮らし。家庭小説短篇集かと思ったら、それぞれの物語がとても濃く結びついていて、ラストでぐっとくる(かも)。

【ダブリンの市民】ジェイムス・ジョイス(結城英雄訳・岩波文庫)
 「ユリシーズ」よりずっと読みやすい(当たり前か)。何が起こるでもないのだけれど、どこか心に引っかかる。そうそう、こんな話を聞いたことがあるよなあ、と思うけれど、多分聞いたことのない話ばっかりなんだろう。そこがすごいかも。

【二つ、三ついいわすれたこと】ジョイス・キャロル・オーツ(神戸万知訳・岩波書店)
 オーツのヤング・アダルトもの。いつも「完璧」だと思われているメリッサ。ちょっと思い込みの激しいナディア。子役スターだったティンク。3人の友情と陰の物語。型にはめて物事を見てしまう、私達大人の視点もちくりと。

【平成マシンガンズ】三並夏(河出書房新社)
 痛快、爽快。15歳にして書いた青春物語。やや硬いかなという表現までもが若さの発露に見えてしまう。先入観にやられたか。面白かったけど。

【LIFE PACKING】高城剛(晋遊舎)
 ミニマリストのお手本になりそうな本。ここまではできないだろうけど。「ムダを省く」ことの楽しさが詰まっている。

【続娘の学校】なだいなだ(中公文庫)
【クレージイ・ドクターの回想】なだいなだ(文春文庫)
 なだいなだは面白いです。いかに普段、私達が「一つの視点に凝り固まっているか」を教えてくれます。それも楽しく。古い本なのに新しい。

【ヘンリエッタ】中山咲(河出書房新社)
 最初は「ヘンリエッタ」ってなんのこと? と思ったよ。それぞれの事情で同居する3人の女性。一番若い(高校生?)の主人公の視点で語られる物語は、暖かいけれど、どこか寂しかったりするのだな。でも「こんな生き方でもええんちゃうの」と応援したくなるのであります。

【猫のよびごえ】町田康(講談社)
 町田康がここまで猫好きとは。

【コルセット】姫野カオルコ(新潮文庫)
 官能小説。

【もう私のことはわからないのだけれど】姫野カオルコ(日経BP)
 介護小説。
 姫野カオルコは、一筋縄ではいかないようです。もっと読んでみたくなりますね。

【パトロネ】藤野可織(集英社文庫)
 芥川賞作家の作品集。現実世界から突如、わけの分からない世界に入ってしまうのです。境目がはっきりしないのは、好き嫌いがあるかもしれませんね。わたくしは、好きですが。